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[プログラムの作り方]

 プログラムを作るには、設計図を書きます。そのプログラムがどんなふうに動くか「プログラム言語」という記号で書きあらわすのです。大きなプログラムでは、これが何万行にもなります。この設計図を「ソースコード」と呼びます。

 出来上がったソースコードは、コンピュータで実行できるよう、一度変換します(これもコンピュータでやります)。変換したプログラムを「実行コード」とか「バイナリコード」と呼びます。ちょっとややこしい名前ですが、このあと何度か出てくるので覚えておいてください(*1)。

 コンピュータで実際に使われるプログラムは、この「バイナリコード」です。WindowsもMSオフィスも、マイクロソフトの製品は、このバイナリーコードなのです。

 自動車や電化製品なら、設計図だけではどうにもなりません。それを実際に製造する工場が必要になるからです。でも、プログラムには工場は不要です。ソースコード(設計図)を変換するだけで、簡単に製品が出来上がります。
 それに、自動車や電化製品の場合は、1台だけ製造するという訳にはいきません。何万台も製造しないと、工場を建てた元を取れないからです。工員さんの給料も払わねばなりません。
 でもプログラムなら、一度変換してしまえば、あとはそれをコピーするだけです。あなたが、作成した文書ファイルをコピーするのと同じです。ドラッグ&ドロップでコピーができてしまいます。メールに添付するのも同じですね。
 いくらでも同じモノを作りだせるのです。

 マイクロソフトが大儲けできるのは、こんな仕組みのおかげです。
 自前の工場を持たなくても、優れたソースコードを書いたら、一度だけそれを変換して、あとはバイナリコードを大量にコピーして、それを売りまくれば良いのです。

 

[マイクロソフトのビジネスモデル]

 ソースコードは人間が書いたモノなので、読みとって理解できます。間違いがあれば修正可能です。新しい機能を盛り込む事もできます。これに対してバイナリコードは、コンピュータには理解できても、人間にはチンプンカンプンです。

 WindowsやMSオフィスは、バイナリーコードしか出回っていないので、もしも不良箇所があっても、誰も修正できません。また、新しい機能を盛り込むこともできません。
 それをできるのは、ソースコードを握ってるマイクロソフトだけなのです。
 これで、マイクロソフトがさらに有利になります。

 マイクロソフトの場合、バイナリーコードを販売しているのでさえありません。あなたのパソコンでバイナリーコードを実行する「権利」を販売しているのです。
 MSオフィスをインストールすると、最初に「使用許諾」という難しい法律用語の文章が表示されます。これに"同意"しないとインストールはできません。

 この"使用許諾"には、あなたのパソコン1台だけでバイナリーコードを使えると書いてあります。だから、あなたの2台目のパソコンで、同時にインストールするのは違法です。CD-ROMを友達に貸してコピーするのも違法コピーになります。
 つまり、家族用に2台目のパソコンを購入したら、そのたびにMSオフィスも購入する必要があるのですが、ウチにそのCD-ROMがあったら、そんな事はしないと思います。でも、これは立派な違法コピーになるのです(*2)。

 

こういうのは違法コピー

 どうにもこうにも、マイクロソフトは有利になるばかりですネ。
 ビル・ゲイツが世界一のお金持ちになる訳です。

 ここまでの説明は、主にマイクロソフトを例にしてきました。
 でも私は、マイクロソフトを目の敵にしている訳ではありません。
 それに、これはマイクロソフトだけのやり方でもありません。一太郎を作っているジャストシステムなど多くのソフトウェアメーカーが、このビジネスモデルを採用しています。
 話を進めるサンプルとして、世界最大のソフトウェアメーカー(それと世界一のお金持ちビル・ゲイツ)がちょうど良いのです。同じような統合ソフトを販売している会社、例えばロータスを取り上げても、読者にはピンと来ないでしょう。

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脚注

*1:ちなみに、ソースコードは設計図なので、色々な種類のコンピュータで利用できます。
 一方、変換されたバイナリーコードは、それ専用のコンピュータでしか実行できません。Windows用のバイナリーコードは、Windowsパソコンでしか動きません。Mac用に変換されたら、Mac専用になります。
 同じソースコードを使って、Windows用とMac用の2種類のバイナリーコードを作れるのです。
 ただし、そのコンピュータの機能が異なるので、かなりのチューニングが必要です。
 Mac版の開発が遅れているのは、ここに理由があります。

*2:企業で大量のパソコンを導入する場合には、MSオフィスを一つだけ買って、それを大量のパソコンにインストールするのは違法コピーです。
 台数分だけMSオフィスを買ってこなくちゃなりません。
 でも、それでは会社中がマニュアルだらけになってしまうので、台数分の実行権(ライセンス)を購入します。そして、必要な台数分だけ(ライセンスの範囲内で)コピーするのです。
 ライセンスは、ある台数がまとまると、割引されるようになっているので、バラバラに買うよりもお得ですが、100台-1000台となれば相当の金額になります。

 

 


作成者:catch
$Id: intro_03.html,v 1.7 2003/12/30 01:02:25 maho Exp $